猫耳平打ちうどん。『ほり野の麺工房』福岡・那珂川市



こちらを薦めたのは誰だったかと記憶を辿り、一人のご婦人を思い出した。以前、井尻の『こまどりうどん』の外観を撮影中、通りすがりのご年配の女性に話しかけられた。「はー! 東京からわざわざ? ここフッツーの店よー」。近くにお住まいの彼女はもう何十年もここに通われているという。

私、フッツーのうどんが好きなんです、なんてやりとりをしたのち、そういえば最近いいお店ができてねと教えていただいたのが『ほり野の麺工房』だった。

道路を挟んだ向かいには姉妹店『麺やほり野』がある。それぞれにカラーがあるので、せっかく行くならはしごがおすすめ。麺工房の方はどーんと横に長く、食券制。無料の漬け物が並ぶさまを見ると、筑後地方を思い出す。高菜漬けをかじって待つこと数分。「ごぼう天うどん」のお出まし。はあ、この香り! お腹の民がえらいこっちゃと騒ぎ出す。

拍子木切りのごぼう天はうれしい別添え。2、3本はそのままかぶりつき、残りは器へ。染み出た油でつゆが光り出す。猫耳みたいに端がくいと立った平打ちうどんは、もっちりといい引き。啜ると振動が伝わり、麺先がぶるるんと揺れる。

最後は器を被るようにつゆを飲み干し、漏れ出た言葉は「かあー!」。お腹の民もすっかり静か。

ごちそうさまでした。

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