ねじれに宿る凝縮エネルギー。『ぶれーど・う』奈良・桜井



山の上にある長谷寺駅からゆるやかな坂道を下り、国道165号線をまっすぐ西へ。30分くらい歩いたところにぽつんと建つそのお店。純手打ちのお店は奈良ではそう多くない、と思う。

「かけうどん」330円とちくわ天をお願いした。キーマも釜バターも手をこまねいているけれど、やはり初めては“素のお顔”を拝ませてください、ということで。隆々としたうどんは、むにゅっぶりんっヨーブラザー!と表情豊かに迎え入れてくれた。だしは胃袋をじゅんわり温めてくれる。ずっとずっとお邪魔したかった――という思いは最初の一口で報われ、たぶんこの先ずっと心を鷲掴みにされたまま。

店主の岡本さんによると、まれに「最初から最後まで同じ麺を食べたい」という人がいるらしい。これには世の純手打ちの皆さまはどう対応しているのだろうか。

うどん界は広い。そういう人好みのお店はたくさんあるはずだ。オキニが見つかるよう、君に幸あれと祈るしかない。

ともかく、職人さんが美学を形にするとき、言葉や声を超えた手の力についてあらためて考えさせられた。意味のある強さ、いびつ上等。このお店のねじれはそんな凝縮エネルギーの化身のようなものだ。手を離れず作られたものに滲む並々ならぬパワーが、お腹の底にずんと響き、帰りもふわふわとした気持ちで歩いたのを覚えている。

ごちそうさまでした。

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