19/02/06

琥珀色のだしは口福の味。「はつとみ」(東京・江戸川橋)


「お薦めのうどん屋は?」とは、一番多くされる質問であると同時にもっとも悩む質問でもある。東京には約3000軒のうどん屋があるといわれるが、どれがその人にハマるかなんて見当もつかない。

だが聞かれたからには、できるだけおいしい体験をしてもらいたいと、うどんに関するいくつかの質問をしてから提案している(これを問診と呼ぶ)。

「美味しいつゆが飲みたいなぁ」なんてリクエストがあれば、ここ「釜揚げうどん はつとみ」をオンリストさせてもらっている。宮崎にある釜揚げうどんのお店「重乃井」の孫弟子にあたり、看板はもちろん釜揚げうどん……なのだが、余裕があればぜひかけうどんも。

「かき揚げうどん」は、色鮮やかで目にも楽しい。琥珀色のつゆから立ち上るふくよかな香気に鼻腔がだらしなく緩んでいく。干し椎茸がうま味の領域をグンと広げ、わずかに甘い味わいがいっそう食欲をそそる。自家製麺とのなじみも抜群だ。細くねじれた麺がスルッと喉を通りぬけると、品のいい風味が残る。好みは人ぞれぞれとは言いつつ、多くの人の「おいしいスイッチ」を押すのはきっとこういう味なのだ。

ごちそうさまでした。


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