これまでどうもタイミングが合わず、思いが募って募ってというところでついに来れた『桃屋うどん』。久留米には提供直前に麺をだしで煮込む店がいくつかあり、こちらもそのタイプです。
柔いうどんをさらに煮込むのだから、もはやそれは麺料理を超え、“だし料理”の域。となればうどんはだしを味わうためのツールとでもいいましょうか。その最たるが『久留米荘』だと思うのですが、ここはぐつぐつとハードに煮出したにぼしだしが濃いのなんの。まあ特徴的なお店です。
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脱線しました。さて、一番乗りのウキウキ感とお店の静けさが反比例する中、ごぼう天うどんを注文。運ばれてきた丼に胸がキューン。未確認だけれど、ここ数年気になっている小鹿田焼みたいな感じ。浅学で恥ずかしいけれど、とにかくお店の飾らない雰囲気とマッチしてる。これ、わたし的に大事。
揚げたてのごぼう天はタテ、ヨコ、タテと重ねた組み木型。うんうん、これ1本ずつ崩すのが楽しいんだよな。麺はすらっとスリムなタイプ。とにかく存在感が抑えめで、優しいだしと見事に同化していらっしゃる。ナイス、黒子感。たまにはこういう媚びないうどんもいいなあ。
飲むようにして胃に収め、あっという間に完食です。うん、やっぱり煮込み系はだし料理だ。
『桃屋うどん』さん、ごちそうさまでした。
『桃屋うどん 市役所前店』
福岡県久留米市中央町33-6
・ごぼう天うどん 430円
・かけうどん 340円
・天ぷら盛り合わせ 600円