東京の西、田無でひっそり15年。「はねだ」ではなく「はだ」と読みます。
「一人だからさ、そんなに稼がなくていいのよ」と、にこにこ話す大将の羽田さんは山梨・富士吉田市出身。和食の料理人を長くつとめ、今は昼はうどん、夜は一品料理も食べられるお店を営んでいらっしゃいます。
そう話してみせる、ちょっとはにかんだ笑顔も素敵。温かいお人柄の 大将とお話ししているだけでなんだか心がほぐれるというか、もはや名前なんて憶えてもらえなくても全然いいです。
そんな『羽だ』で食べられるのは、〝吉田のうどん”。富士吉田市のご当地うどんで、お店によって差はあれど、麺の太さと独特の力強さはまさに剛麺界の王者です。武蔵野うどんと双璧をなす存在といいましょうか。県外にも多くのファンを持ち、クレイジーケンバンドの〝のっさん”こと小野瀬雅生さんも大好物だそう(って前、ある記事でお見かけしました)。
肉もりうどんを注文。クリーム色がかった太麺は富士吉田市の製麺所から取り寄せたもので、現地流に茹でキャベツをのせて提供。つけつゆは甘さを抑えたすっきり系。うん、好き好き!
この麺ときたら、食感がとにかく面白いんです。吉田のうどん=むっちりと歯を押し返すガテン系だと思っていたのですが、こちらのはなんというか“コリコリ”としていて、まるで新鮮なツブ貝を噛んでいるような活きの良さ。こんな食感もあるなんて、やっぱりうどんって奥深いぞ。その後のもち感も心地よく、あっという間に平らげてしまいました。
で、つゆは茹で汁で割って……はぁほっこり。
吉田のうどん、きてますね。地元の高校生たちが吉田のうどんMAPを作ったり、東京にいても吉田のうどんの話題を耳にする機会がじわじわ増えています。
『羽だ』さん、ごちそうさまでした。
『羽だ』
東京都西東京市田無町3-10-16 富沢荘1F
・肉もりうどん700円
・かけうどん500円
・大盛り100円
都心に程近い、吉田のうどんのお店。大将と話すために来るお客さんも多いんじゃないかな。撮影中ずっと話してた、楽しくて。
私が13年前初めて食べた吉田のうどんはゴワゴワと喉にひっかかるものだったけど、こちらはコリッと心地よい弾力で、もち感も格別。撮影後の「時間切れ@大将」でさえです。 pic.twitter.com/viKL9RurlY
— 井上こん |𝘂𝗱𝗼𝗻𝗵𝗼𝗹𝗶𝗰 (@koninoue) December 25, 2017