60分茹でた先の、ふやふや天国。「山口屋」(三重・伊勢)



キング・オブ・柔うどんといえば「伊勢うどん」。あのふやふやのおうどん、たまらないですよねえ。コラムニストで伊勢うどん大使の石原壮一郎さんも、伊勢うどんの魅力をいろんな現場で伝えておられます。私もそんな伊勢うどんの大ファンで、定期的に通販で仕入れては脳内伊勢トリップを楽しんでおります。

(自宅で食べるときはこういうのをどばっと買っています。メーカーさんによってちょっとした違いもあっておもしろい)

伊勢うどんを知らない方のために簡単に紹介すると、伊勢うどんとは三重県伊勢市を中心に食べられる伝統のおうどんで、実に400年以上もの歴史を持つといわれます。具はあまり乗せず、たまり醤油のタレと絡めて食べるのが基本の食べ方。特徴は1センチ以上の太麺であること、そしてふやふやの食感ですが、これはお伊勢参りに来た方の胃腸を気遣い、食べやすいよう柔らかくされたとされています。

(こんな感じ。ちなみに「カレー伊勢うどん」や「カルボナーラ伊勢うどん」のように洋風の味にもよく合います!)

※余談ですが、伊勢うどんの話題になるとなぜか必ず「伊勢うどんはまずい」厨さんが現れるんですけれど、うどんは好み。自分の好みに合わないなら食べなければいいだけなのに~と思います。

*****

さて、今回ご紹介するお店は、昭和3(1928)年創業の「山口屋」さん。伊勢市駅にほど近い通りにあり、昭和の雰囲気を残した店内は過去にタイムスリップしたかのような気分にしてくれます。実はこのときはある媒体の取材でお世話になったので、外観・内観画像などは私の方で持っておりませんで……手持ちの画像はこの1枚。

(伊勢うどん500円)

いやしかし、この1枚で十分でしょう! だってこの立派なお姿、ぱきっとした白黒コントラスト。混ぜれば内側から湯気とともに甘辛いタレのいい香りが立ち上って……生唾ケイホウ、生唾ケイホウ~!

ふっくらと膨張した自家製うどんは、平和を体現したかのような仕上がり。まず唇、続いて歯、舌に密着するように口内へ滑り込んできます。ほのかに感じる小麦の甘みは三重県産アヤヒカリを使用した最高峰の「伊勢の響」の特徴でしょうか。これを60分茹で、30分蒸らして、提供時にもう一度釜茹でしているとのこと。ああもう~おいしい~!

不肖ながら私も伊勢うどんもどきを打つのですが、やはり茹で時間は60~75分くらい。そのくらいになるとザルに上げるにしてもなかなか大変なんです……。「山口屋」さんでは昔から「とおし」という竹かごで上げておられるそうです、いいな~!(今はこういった昔ながらの道具を作る職人さんも少ないですね)

ちなみに、三代目・山口敦史さんはトークがすばらしくお上手で、お人柄も素敵な紳士。そして、大の浜田省吾さんファンでもあるので、浜省好きの方はぜひお店で浜省トークに花を咲かせてみては。

ごちそうさまでした。