17/03/16

ロックな三木さんの美人なうどん。「ニューさがみや」(東京・下馬)


三木さんのうどんはいつ食べても優しく、ふわりと柔らかなオーラに包まれる。それは、暑い時季に登場する冷やかけのつゆの最後の一滴まで飲み干し、ふうっとお腹の底をクールダウンさせても同じ。温度とは別の次元でなんだか温かいから、ふとした瞬間に来たくなる。

早朝からせっせと仕込む手打ち麺は、ややウェーブがかかっていて、押し返しやコシといった気合の入った言葉とは別世界に生きている。例えるなら、ほっそりうなじがきれいな美人かな。色白で涼し気な目元をした……そう、女優の木村多江さんかりょうさんのようなイメージ。三木さんご本人はというと、ひげとバンダナがトレードマークのロックを愛する紳士なのだけど。そのギャップがまたいいのかも。

▲上画像は冷やかけうどん

▲そしてこちらは温かいかけうどん。出汁の透明感と麺の輪郭が微妙に違う。温も冷も秒殺で完食

三木さんがうどんを勉強したのは十条の「いわい」さん。でも、師匠の味をそのまま伝承するよりも、そこにリスペクトを向けつつのんびり自由に打つのが三木さん流だから、ときには粉の産地をガラッと変えるし、季節の変わり目にはうどんを古典の世界から連れ出して「豚しゃぶキムチのみぞれうどん」とか「冷やし豆乳だしのうどん」とかロックな出合いをさせちゃったりして。それが楽しみで季節の変わり目にふらっとお邪魔しちゃうんだなあ。

▲2017年2月号『dancyu』で紹介されたカレーうどん。軽妙なスパイシー感がとてもおいしかった

そんな話をしていたら、ああ三木さんに会いたくなってきた。春のうどんは何だろう。


スポンサーリンク