17/10/11

うどんとジビエが出合うとどうなる!? ちょっと変わったうどん教室レポ


先日、埼玉・狭山ヶ丘の「うどきち」ご主人・倉田將昭さんに声をかけていただき、面白いうどん教室にお邪魔してきました。テーマは「ジビエうどん」。

ジビエとは、いわゆる鹿や猪、熊といった野生鳥獣の肉のこと。実は、ちょうど先月もある取材で信州へお邪魔し、猪肉や鹿肉をいただいてきたばかり。あの、牛や豚、鶏にはないぶっちぎりのうまみといいましょうか。味に加えて魅惑の香りもジビエの醍醐味で、吸ってふがふが、吐いてむほーっ。たまりません。今回のうどん教室は、単にうどんの打ち方を覚えるだけではなく、ジビエをもっと身近に感じようというもの。

開催場所は埼玉県入間市にある農村環境改善センター。主催・協力は「うどきち」、ジビエのプロ「猟師工房」、“埼玉を日本一のうどん県にする会”の永谷晶久さん、そして“東大うどん部”の田窪さん&小林くん。

参加者は32名。実は私、こういったうどん教室って何年も前に生徒側で1度行ったきり。そのときの参加者はたしか引退された方が多かったのですが、今回はご家族や友人、カップルなど10代から70代まで幅広い年齢層の方が参加されていて、まずそれにビックリ。

前半の座学では……「うどん」の仕組みを知ろう!

僭越ながら、福岡うどん狂いということでちょこっとだけ福岡県のうどんのお話をさせていただく時間がありました。豊前うどんや筑後うどん、どぎどぎうどんを紹介したのですが、今振り返ってもまとまりがなくてやや反省。

そんな私とは対照的に、「うどきち」倉田さんや“東大うどん部”田窪さんの流れるような説明ときたら。田窪さんからは塩の役割や小麦ごとの性格の違いの話があり、参加者からは時折「へえ~」なんて声も漏れてていい感じ。みなさん、うどんとの距離が近まったかな?

永谷さんも登壇。

伊勢うどん大使も参加! 三重の上質粉で打ってみよう

座学後、いよいよ作業開始。4グループに分かれ、水回しや足踏みを分担して行います。使用する小麦粉は、三重県産アヤヒカリ使用の「伊勢の響」。ふわふわ食感が特長の伊勢うどんに使われることの多い上質な粉で、熟成時間が短くても形になるので時間制限のあるうどん教室に向いているかも。これを加水率50%・塩度10%という条件で作っていきます。室温は約24度。

「結構力がいるのねぇ~」「ホラこの辺、固まってる」

みんなで鍋を固定して水回し。これ、楽しい作業で私は大好き。気分がどんどん上がっていくんです。ここで仕上がりが決まるわけではないので、あまり気張らないで大丈夫。指先を立ててテンポよく混ぜましょう。

それにしても、どのグループも和気あいあいとした雰囲気で、見てる方までほっこり。うどん打ちって初めて同士でも仲良くなれるのがいいところ。私はいつも一人で打っているので、この賑やかな空間が新鮮でもあり、とっても居心地よかったです。

ところで、ずっと気になってたんですけれど、このお方はもしや……

ド~ン! やっぱり! 超S級コラムニストで、“伊勢うどん大使”でもあられる石原壮一郎さんではありませんか!(※新著『SNS地獄を生き抜く オトナ女子の文章作法』も絶賛発売中)いい笑顔をありがとうございます!

続いての踏む作業もみなさんとっても楽しそう! 踏みはうどんのコシを生む重要な作業なので、気持ちを込めてひと踏みひと踏み大切に。体重に任せてかかとでギチッと生地を潰さないよう注意をば。縦へ横へ、機を織るように丁寧に圧をかけていきます。

参加者の中には、東京オリンピック出場が期待されているという女子ボクシング選手・篠原光ちゃん親子(写真下)も。お父さんに支えてもらいながら、さすがのステップを見せてくれました。

続いて、のし。ここが一番みなさん苦労されていたように思います。生地、戻ってきちゃうよね。ちなみに私の場合ですが、辛抱強い性格ではないので、最初だけ片手で手前の生地を軽く押さえ、もう片方の手でのすことが多いです。

いつの間にかタスキをかけ、武蔵野の地でもしっかり伊勢うどんをPRする大使(写真下)。

生地を延ばせた人からいよいよ麺包丁を使っていきます。慣れるまでは太さを揃えるのが大変ですが、この作業がもっとも数を重ねるほど目に見えて上達すると思います。なお、今回教室でいただく用のうどんはあらかじめ用意してあるため、みなさんがご自分で切った麺はお持ち帰り。

「オレは太いのが好きだから~」「限界まで細いのに挑戦!」。ああもう楽しそう!

鹿に、猪、熊……ジビエを食べ比べしてみよう!

そのころ、表では着々とジビエの準備中。すべて「猟師工房」の原田祐介さん(写真下)が用意してくださいました。

ずらりと並ぶのは猪のカルビとバラ(写真下)。いや~圧巻。これは美味しい、美味しいに決まってる!

この猪はのちほどいただくとして、まずは「うどきち」特製、鹿肉のつけ汁(写真下)でうどんをいただきます。

これが笑っちゃうくらい美味しい! ざらめや醤油ベースのつゆに鹿の脂やコク、一切合切がにじみ出て、そして決め手の練りゴマ。すべてが相まって、味噌も入っているのかと思うほど深い味わいに(ノー味噌と聞いてびっくり)。鹿肉もほろほろと舌の上で繊維がほどけるほど柔らかい。

以前取材させてもらったときも思いましたが、「うどきち」さんといえば“ひと手間”だなぁとあらためて実感しました。つけ汁の具材のひとつ、ゴボウがまさにそうで、聞けばあえて表面を焦がしてから調理することで、風味が最大限に引き出せるんだとか。

そしてこのつゆが「うどきち」さんの太うどんにそれはそれは合うこと! そりゃあ作っている方が同じなんだから当たり前といえばそうなのだけど、武蔵野うどんの魅力であるこの野太さは、埼玉のジビエ文化において今後大きな役割を担っていくんじゃないか。こっそりそんなことを思いました。ジビエうどん、来るぞ……!

さぁジビエ祭りは始まったばかり。続いては?

うまさをストレートに味わえる! ジビエしゃぶしゃぶ

鹿肉うどんの後はさきほどの猪肉。節類の出汁でしゃぶしゃぶでいただきます。で、ごめんなさい。ここから異常に写真が少なくなります。美味しすぎて食べるのに一生懸命になっちゃいました。

しゃぶしゃぶのようなシンプルな食べ方は、猪のまろやかな風味なんかを際立てていいですね。……ああ! 私としたことが、貴重な熊肉も出していただいたというのに撮り忘れてる。熊肉は脂がまさに野性的な濃さで、インパクト大でした。

鹿肉のショルダー(写真下)。

こちらはバターでワイルドにソテー。う~ん、香ばしい。食感は期待通りたくましく、武骨。噛み応えもすばらしく、肉らしさ満点です! ワサビを乗せると内側の濃い味わいがぐっと引き立ちます。ああ~美味しい!

というわけで、大盛況で終わった「ジビエうどん教室」。最後は一部の方と記念撮影。うどんが繋いでくれたご縁に感謝です。


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